膝の下の成長期痛/ 成長痛: オスグッド病へのチームとしての取り組み

スポーツをしている子どもが痛みで悩む代表的なケガが、膝の下に起こるオスグッド病になります。

今回の記事では、代表的な成長期痛の1つであるオスグッド病に対してチームとしてアプローチできる方法について説明したいと思います。

オスグッド病については、公益財団法人日本整形外科学会のホームページで説明されていますので、ぜひこちらのリンク先で確認してください。

オスグッド病の原因を数式化

チームとしてできるオスグッド病に対するアプローチを説明する前に、オスグッド病の原因を数式化して説明させてください。

オスグッド病を簡単に説明すると、成長している時期の軟らかい成長軟骨部を太ももの前の筋肉が働き、牽引することによって負荷がかかり、痛みを発生させ、剥離してしまうケガになります。

個別の対応や予防としては、

    • 太ももの前の筋肉のストレッチ
    • アイシング・アイシングマッサージ
    • ストラップなどの装着

があります。

私は、オスグッド病の原因を以下のような数式で表現しています。

牽引力 x 回数 = 牽引総量 

牽引総量 – 疲労回復 = オスグッドスコア

オスグッドスコアとは、高いとオスグッドになってしまうスコアになります。

上記の個別な対応や予防の取り組みは、それぞれ

  • 太もも前の筋肉のストレッチ → 牽引力と疲労回復に対するアプローチ
  • アイシング・アイシングマッサージ→牽引力と疲労回復に対するアプローチ
  • ストラップなどの装着 → 牽引力に対するアプローチ

今回の記事では、

  • 牽引力
  • 回数
  • 疲労回復

に対してそれぞれのアプローチについて説明していきます。

牽引力

オスグッド病の原因に関する牽引力は、オスグッド病の原因となるマイナスの部分もありますが、筋力が発揮する1つの力という観点では、スポーツにおけるパフォーマンスに直結する能力であるため、牽引力を少なくすればいいという簡単な問題ではないことをまず認識しておく必要があります。

必要以上な牽引力を発揮する原因には、

  • 柔軟性の低下
  • 他の筋肉の抑制による過剰な筋出力

の2つが挙げられます。

柔軟性の低下

柔軟性の低下に関しては、柔軟性が低下したからオスグッド病になってしまうケースもありますが、オスグッド病になった時に柔軟性の低下はなく、オスグッド病になってからしばらくして柔軟性が低下している場合もあります。

いずれにおいても、柔軟性の低下はケガだけではなく、パフォーマンスの低下にも繋がる可能性があるため、チームではしっかりと取り組む必要があります。

チームとしては、ウォーミングアップやクーリングダウンで取り組み、選手には、お風呂に入った後には自分自身でセルフストレッチするように指導することが大切になります。

他の筋肉の抑制による過剰な筋出力

太ももの前の筋肉は膝を伸ばす動作やジャンプからの着地動作で活動しています。

例えば、ジャンプする動作では、膝を伸ばすと同時に足首を伸ばし、股関節を伸ばす動作もあります。

本来であれば足首を伸ばす、もしくは股関節を伸ばす力で発揮しないといけない力を、発揮されないことにより、同じ高さのジャンプをするために膝を伸ばす太ももの前の筋肉が必要以上に働き、過剰な筋出力を発揮し、膝の下の部分をより牽引してしまうことになります。

このように他の関節や筋肉の代償動作として、太ももの前の筋肉が過剰に活動している場合には、お尻やふくらはぎの筋肉を鍛えることが有効になります。

チームを対象にトレーニング指導する専門家は、ストレングス&コンディショニングコーチになります。

ストレングス&コンディショニングコーチをパートタイムで雇用し、トレーニング指導してもらうのが一番になります。

個別に選手にこのようなトレーニング指導は、パーソナルトレーナーやアスレティックトレーナー、そして理学療法士も指導できますが、対象がチーム、グループ、団体になった場合には、ストレングス&コンディショニングコーチがベストだと考えています。

回数

オスグッド病は、1回の牽引力が起こすような急性のケガではなく、何回も繰り返しで起こる慢性的なケガになります。

回数で言えば、トレーニングの回数になりますが、競技の練習でもダッシュなどの縦の動きが含まれている練習が多くなっていないのかを検証してみることも大切です。

テニスを例として考えると、サーブの練習では、膝を伸ばしジャンプし、着地する動作であり、太ももの前の筋肉を使う動作になります。

また、ネットプレーをするために前にダッシュする動作も太ももの前の筋肉を動作になります。

練習の内容がこのようにサーブやネットプレーをするための前へのダッシュを含むようなボレーの練習が多くなると、太ももの前の筋肉を使う動作の回数が増える傾向にあります。

成長期には、様々な動きが必要になるので、練習でも前への動きだけではなく、様々な方向の動作を組み込むようにしてください。

疲労回復

成長期には、身体的なストレスだけではなく、特に心理的、社会的なストレスに対しても注意することが必要であり、これらは疲労回復に影響を与えています。

練習やトレーニングの量をしっかりと確保することも大切ですが、それはしっかりと疲労が回復していることが前提となります。

練習やトレーニングの量をしっかりと確保することは、競技のパフォーマンスを高める目的があってこそになります。

競技のパフォーマンスを高めるためには、しっかりと疲労が回復している状態が必要になります。

食事や休息、特に睡眠や入浴が重要になります。

また、柔軟性の低下でも触れたストレッチですが、練習や試合前後には必ず太ももの前の筋肉のスタティックストレッチを実施して、前後での違いを把握させるようにしてください。

練習や試合前後でのスタティックストレッチにおける前後での違いは、筋肉の長さの違いであり、筋肉への負荷に対する身体の反応を見える化することになります。

スタティックストレッチは筋肉の長さの調整に。

前後に違いがあるのは自然なことではありますが、個別の負荷量の把握、そして練習・試合後から次の練習までにどれだけストレッチをしなければならないかが選手本人が分かることで、1つのモチベーションになります。

練習後、試合後にはどれだけ踵がお尻に近づいているのかを確認し、前後に差がある場合には、次回の練習までに踵とお尻の差を同じようにするためにストレッチをするように指導してください。

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